
うまく溶接したいのに電気が合わないよ!

ちょっとしたコツを掴めばそんなに難しくないよ!
いい溶接はいい条件から!
うまく電気を合わせれるようになろう!
半自動溶接を行う際の電流、電圧調整のコツ
についてお伝えしたいと思います。
溶接で最初にぶち当たる壁ではないでしょうか?
わかりやすく解説したいと思います。
ではいきましょう!
電流、電圧は溶接条件の一つ

つーか、溶接条件って何よ?

実際に溶接をする時の条件の事だよ。(そのまんま)何点かあげてみるよ!
- 母材の材質(軟鋼かSUSか等)
- 板厚(板の厚さ)
- 継手形状(突き合わせか、すみ肉か等)
- 開先形状(開先角度や、ルートギャップの有無等)
- 溶接材料(ソリッドワイヤーかフラックス入ワイヤか等)
- 溶接姿勢(下向きか、上向きか等)
- 溶接パラメータ(電流、電圧、速度等)
などがあげられますが、電流、電圧はその中の一つなんですね。
で、主に板厚や溶接姿勢で適切な電流、電圧は変化します。
板厚が厚ければ高くなりますし、薄ければ低くなります。
また、下向きでは高くなりますし、それ以外の上向きや、立て向きの姿勢では低くなります。

ある程度幅はあるけど、低すぎても高すぎてもダメなんですよ。
例えば、すみ肉溶接で電流300Aで脚長6で上進溶接をやれって言われても私には不可能です。ビードが垂れまくって悲惨なことになるはず。
※この条件なら電流は180A-24Vくらいかな。
いい溶接を行うためには適切な電流、電圧に調整することが必然になるわけです。
業界では電気を合わせるなどと言います。
うまくできない人は先輩や親分にチェックしてもらいましょう。


電気が合ってない状態で溶接しても絶対にうまくならないよ!
今の溶接機はデジタル化が進んでいるため本体の表示を見るだけでおおよその確認はできますが、まだまだアナログのサイリスタ式の溶接機も現役でバリバリ活躍しています。

デジタルの溶接機じゃないと溶接できないよー。
なんて言えませんからね。
もちろん、フルデジタルの方がスパッタも少ないし、ワイヤの送給も安定してるけど。

しかし、まずは適切な電気の感覚を眼、耳、身体に覚えこませましょう。
こればっかりは数をこなすしかありません。
電流、電圧の調整の重要さの説明が終わったところで、やり方について説明したいと思います。
電流を合わせる

まずは電流から決めましょう。

どのくらいの、電流で溶接すればいいの?
って話ですよね?
これは先程も述べた通り、様々な要素が絡んできます。
私が普段溶接する中厚板(9〜22ミリ)くらいであれば、下向きで200〜260くらいでしょうか。

アバウトすぎる!
って思いますよね?
しかし、開先を埋める場合もあれば開先無しの突き合わせ溶接もあるわけで、一概にこれっ!て数値はなかなかピンポイントで言えません。
個人の溶接速度でも変わってきます。
慣れてくれば高めの電気でも、手が追いつくのですが、初心者の頃は手を早く動かすのが難しいため、若干低めの方がいいのではないでしょうか?
電流=ワイヤの送給速度なので、電気を上げれば溶接は早くなります。
納期に追われている仕事の早い電気屋さんは大体電気が高いです。
上げりゃいいってもんじゃないですけどね。
個別にこの条件の電気教えてよ!って要望があれば個別でお答えしたいと思います。
溶材メーカーのカタログにも参考の数値は乗ってるのでそちらを参考にするのもいいですね!
電圧を合わせる

次に、電圧を調整します。
先に電流を決めてしまっているのであとはいい電気になるよう電圧を微調整していきましょう。
電圧調整については、ほぼ全ての機種で一元化の機能がついてるので機械任せでほぼOKです。
一元化、個別設定の違いはこちら。
しかし、自分で判断できる眼は養う必要があります。
まず、いい電気の状態です。
- スパッタ少ない。
- ビード形状適切
- 溶け込み適正
次に電圧が低すぎる状態。
- ワイヤが、突っ込む感じでパンパンはじく
- ビードが凸気味
- 溶け込みは深い
次に電圧が高すぎる状態
- 大粒の、スパッタ付着
- ワイヤが浮く感じでパタパタ音がする
- ビードは凹み気味
- 溶け込みは浅い
まとめ
何回も言いますがデジタルで数値化しても結局はいい電気の感覚を覚えこませることが大事になります。
これができないと、いつまでたってもうまく溶接できません。
いくら腕が良くても!です。
先輩や親分に電気を見てもらい、いい電気で溶接をする。
何より大事なことです。
電気みてくださいって後輩から言われても悪い気はしませんよ。
貪欲に聞きまくりましょう!
ではでは。
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