裏はつり、ガウジングについて

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どうも。ナカケンです。

今回は裏はつり、アークエアーガウジングについてお話ししたいと思います。

完全溶込み溶接において避けては通れない工程です。完全溶込み溶接について詳しくはこちら。

 
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ガウジングの原理

ガウジングトーチの全体図です。

トーチに炭素電極(ガウジングカーボン、ガウジング棒)を挟み、この電極と母材との間に直流アークを発生させ、局部的に溶融させ、エアーで吹き飛ばし溝を掘るのがエアアークガウジングである

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保護具は必ず着用しよう

まずはじめに。

作業の前に、保護具は必ず着用しましょう!溶接とは比べ物にならないほど火花が飛散します。

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自分に降りかからない場合は良いのですが、深くはつる場合や、火花がどうしても跳ね返ってくる場合があります。

腕カバー、前掛け、革ジャン、ローハイドなど、 状況に応じて適切な保護具を着用しましょう。

革ジャンは最強なのだけどやはり重いです。よほどのことがない限りは帆布の防護服を愛用しています。

足元はローハイドしていたが無難ですねー。作業着の持ちが全然違います!

あと、騒音も凄いため耳栓必須です。難聴になりますよ!なんやかんや自分はプラスチックのこのタイプが好きです!
スポンジ系はどうも苦手です。

埃も凄いため防塵マスクは必ず着用してください。溶接用防じんマスクといえばこれですね!

周囲に可燃物がないかも確認し、場合によっては衝立を使うなどして養生を行いましょう。

夢中になってガウジングしているとよく、エアーホースやケーブル類を破損させます。気をつけましょう。

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カーボンをトーチに挟む

それではカーボンをトーチに挟みましょう。

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ガウジングカーボンを挟むのにも向きがあります。

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エアーの噴出口があるのではつる方向と逆側にエアーの噴出口を持ってきます。

慣れるまでややこしいかもしれないので先輩に聞いてください。

これを間違えるとその場でブチュブチュなるだけではつれません。ノロがその場に固まるだけです。

ガウジングカーボンですが、あまりトーチから出しすぎないようにします。エアーのあたりが弱くなりノロの飛びが悪くなります。

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近すぎてもトーチが焼損しますので、気をつけてください。以上が作業前の注意事項になります。

それでは、はつりましょう!

レッツガウジング!

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はつり方

右利きの場合ですが、基本的に左から右にはつっていきます。

(逆方向もできるようになりましょう。)

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ガウジングで、掘った跡が見えないと欠陥が無くなったか確認できないためです。

トーチの角度にも気をつけます。はつる面に対して角度はなるべく垂直に

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進行方向に対しては少し寝かせるか、垂直です。

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手溶接のように後退で引っ張るとエアーの当たりが悪くなりノロが飛びません。

はつる箇所から脱線しないようにまっすぐはつります。この時も、一定の速度でカーボンを、母材に押し当ててはつっていきます。

一気に欠陥をはつろうとすると、どこを掘っているかわかりずらいため、一回欠陥を残した状態ではつりましょう。

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筋が、綺麗に出てくると思いますので、この筋が無くなるまでガウジングではつります。

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無くなったら溶接がやりやすいように、成形します。特に断面形状がV型の狭開先のようになってしまうと溶接もやりづらく欠陥も入りやすくなります。

鍋底のU字形状が理想的です。

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※U字形状が理想

ガウジングが終わったらグラインダーで磨きます。

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開先内に残存したノロや黒いススみたいなのは、確実に除去してください。欠陥の原因になります。

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※若手の裏はつりです。こうなるとグラインダが大変です。

磨く度合いですがこれもまー、人それぞれです。現場作業が多い電気屋さんはそこまでビカビカに磨かない気がします。

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トーチの、動かし方

ストレートにサーっと勢いよくはつる人、小刻みに振りながらはつる人、少しずつ確認しながらはつる人、電気屋さんそれぞれな気がします。

板厚が大きくなると、裏はつりの深さも自ずと深くなるため、カーボンの径が小さいと挟開先になりやすいです。また成形もやりにくいです。

深さに応じてカーボン径は大きくしましょう。

参考までに私の場合ですが、はつり深さが6mm程度まではφ8のカーボンではつってます。

あとは段階的に大きくφ9.5、φ11と大きくしていきます。

あまり広く開先を取りすぎると溶接が大変ですので取りすぎもNGです。

余談ですが、外注の電気屋さんでスポットで入った人がいまして。

で、その人の裏はつりが40°程度のV開先のように掘り、開先内部も凸凹でした。グラインダもパラパラっとかける程度でそのまま溶接したんですね。

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板厚16mm溶接長5m×5シームを、X線でズタボロでした。

全線撮影してないんですけど信用ならんということで全線内外面からはつり直して再溶接しました。掘ったら欠陥が出てくる、出てくる。

溶接も悪いんですが、それ以上に裏はつりが悪かったのが原因だと思います。

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以上ガウジングの使い方、裏はつりのポイントについてお伝えしました。

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裏はつりは重要工程!

完全溶け込み溶接において、重要な作業になります。

ここで手を抜くと、後からしわ寄せがきます。

何回も言いますが

裏はつりは確実に!

補修溶接の際もガウジングは使いますので確実にモノにしましょう。

ではでは。

➕ご安全に➕

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